こんにちは美容師ブロガー阿部です。
今回のテーマはアミノ酸シャンプーです。
アミノ酸シャンプーは弱酸性で頭皮や髪の毛に優しいので
- カラーやパーマ後の痛んだ髪の毛をケアしたい人
- 乾燥肌の人
- 敏感肌の人
- 乾性フケ症の人
に最適なシャンプーです。
市販のシャンプーとアミノ酸シャンプーの大きな違いは使用されている成分の違いです。
アミノ酸系シャンプーに使われる成分も解説しましょう。
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【アミノ酸シャンプーとは?】失敗しない選び方講座
アミノ酸シャンプーと市販品の違い
アミノ酸シャンプーを見分ける上で重要な成分が界面活性剤です。
例えばフライパンの油汚れはお湯だけで綺麗にできないませんよね。
髪の毛の油汚れ(皮脂とか)も同じなんです。
食器洗いに洗剤を使うようにシャンプーにも界面活性剤を混ぜてお湯で洗いながす必要があります。
シャンプーに使われる界面活性剤の種類によって高級アルコール系シャンプーとかアミノ酸シャンプーなどと分類されます。
これが市販のシャンプー(高級アルコール系と呼ばれます)とアミノ酸シャンプーの違いです。
- シャンプーの刺激
- 洗い上がりの質感
に大きな影響を与える重要な成分です。
アミノ酸系シャンプーに使われている代表的な成分
アミノ酸系シャンプーで使われる主な洗浄成分は3つのカテゴリーに分けられます。
- アミノ酸系
- タウリン系
- タンパク質由来系
それぞれ見ていきましょう。
アミノ酸由来の成分
髪の毛に含まれるアミノ酸は18種類あります。
アラニン・グリシン・イソロイシン・ロイシン・バリン・トレオニン・セリン・フェニルアラニン・チロシン・プロリン・トリプトファン・メチオニン・2分の1シスチン・アルギニン・リジン・ヒスチジン・アスパラギンン酸・グルタミン酸
髪の毛に含まれるアミノ酸が複数つながりタンパク質となり髪の毛を作っています。
この髪の毛に含まれるアミノ酸の中でもグルタミン酸・アラニン・グリシンそれぞれが由来となり作られた洗浄成分をご紹介します。
- ココイルグルタミン酸ナトリウム
- ラウロイルグルタミン酸ナトリウム
洗浄力・泡立ちが弱い反面髪の毛や頭皮に低刺激です。
- ココイルメチルアラニンナトリウム
- ラウロイルメチルアラニンナトリウム
適度な洗浄力・脱脂力があるので仕上がりに潤いも残ります。
- ココイルサルコシンナトリウム
- ラウロイルサルコシンナトリウム
適度な洗浄作用と静菌効果もある洗浄成分です。
タウリン系の成分
アミノ酸由来の界面活性剤は刺激が少ない分洗浄力に劣ります。
そのため洗浄力を補うためにアミノ酸系に配合されている成分がタウリン系です。
- ココイルメチルタウリンナトリウム
- ラウロイルメチルタウンリナトリウム
頭皮や髪の毛に優しく低刺激で洗浄力に優れています。
これらの組み合わせてアミノ酸シャンプーは作られています。
タンパク質由来のタウリン
最後にタンパク質由来の洗浄成分を紹介します。
髪の毛はアミノ酸が含まれていて、それが複数つながることで髪の毛のタンパク質を形づくっていると説明しました。
このタンパク質の一つであるコラーゲンを由来とした洗浄成分が
- ココイル加水分解コラーゲンナトリウム
です。
アミノ酸が複数くっつくとタンパク質になりますが、このタンパク質を加水分解することで得られるのがポリペプチドと呼ばれるもの。
アミノ酸の塊みたいなものです。
このポリペプチドから作られた洗浄成分です。
アミノ酸由来同様に髪の毛や頭皮と親和性が高いだけでなくコラーゲン由来なので髪の毛に潤いを与えながら洗浄できるなど、髪の毛のコンディションを同時に高める効果も期待できます。
ただし原料が高価なのであまりみかけません。
市販品に使われる成分は高級アルコール系と呼ばれます。
- ラウリル硫酸ナトリウム
- ラウレス硫酸ナトリウム
などが主に配合されています。
以前はラウリル硫酸ナトリウムが主でした。
しかし最近はより皮膚刺激が少ないラウレス硫酸ナトリウムが使われています。
洗浄力がよく泡立ちが良いのが特徴です。
高級アルコール系よりやや皮膚刺激が弱いものに
- オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウム
があります。
同じく高級アルコール系を原料としたものに
- スルホコハク酸ラウレル2ナトリウム
もあります。
これは高級アルコール系よりは皮膚刺激はやや弱く、他の活性剤と混ぜることで起泡力が増すためアミノ酸シャンプーに混ぜて使われることもあります。
高級アルコール系シャンプーは洗浄力が強い反面、皮膚刺激が強いのが難点です。
高級というのは「価格が高い」という意味ではなく炭素原子の数が多いという意味です。価格が安価のため市販の安いシャンプーによく使われます。
メリットは髪や頭皮に優しいこと
頭皮や髪の毛が健康な状態のペーハーはPH4.5から5.5です。
アミノ酸シャンプーは弱酸性にPH調整されているので弱酸性下で優れた洗浄力を発揮できます。
頭皮が弱酸性に保たれると潤い成分が分泌されて髪の毛や頭皮を乾燥から守ることができます。
デメリットは洗浄力が弱く・泡立ち・泡切れが悪いこと
アミノ酸シャンプーは刺激が少ない反面、洗浄力は弱く、泡立ち、泡切れは悪い傾向があります。
そのためタウリン系の洗浄成分を混ぜたりするなどして調整されています。
合う人
ヘアカラー毛
ヘアカラーの中でも染毛剤をお使いならアミノ酸シャンプーの使用が適切です。
染毛剤とは「お洒落染め」「白髪染め」のことです。これらカラーは
- 脱色
- 発色
が必須です。この際髪の毛はアルカリにさらされとても不安定な状態になります。
出来るだけ髪の毛を健康な状態(=弱酸性)に戻すためにアミノ酸シャンプーの利用が適切です。
加えて、アミノ酸シャンプーには髪の毛のコンディショニング成分もたっぷり配合されているものが多いのでヘアカラーで流出した髪の毛の潤いの補充なども同時に行えます。
特にヘアカラー後1週間の髪の毛は不安定な状態なのでその間だけでもアミノ酸シャンプーを使うと髪の毛の痛みが格段に違ってきますよ。
パーマ毛
縮毛矯正やパーマヘアの方もアミノ酸系シャンプーの利用が適切です。
パーマをかけるには一般的には
- 髪の毛をアルカリにしてキューティクルに隙間をあける
- キューティクルの間を通してクセをとったりウェーブをつけるお薬を髪の内部へ浸透させる
- 開いたキューティクルを閉じる
主にこのような手順をとります。
この時ヘアカラー同様キューティクルはすぐに閉じないためアミノ酸シャンプーで弱酸性に導いてあげることが大切です。
アミノ酸シャンプーの中でもパーマの持続性を高めるヘマチンなどが配合されているものを使うことで、頭皮と髪の毛を優しく労わりながらお気に入りのパーマスタイルを長く保つことに貢献してくれますよ。
乾燥肌・敏感肌
市販の高級アルコール系のシャンプーは洗浄力や泡立ちは充分ですが脱脂力が強いです。
乾燥肌の頭皮の場合頭皮の潤いを取りすぎてしまうことも。
この状態が進むとやがれ頭皮の角質が剥がれ「乾性のフケ症」になってしまいます。
- サラサラした細かい状態のフケ
- フケの色は白っぽい
特に若い女性で小さいフケが気になって洗い過ぎている場合などはアミノ酸系シャンプーに変えることで症状が緩和われることが期待できます。
乾性フケの対策法
乾性フケの原因は頭皮の乾燥です。
乾性フケ症に必要なのは頭皮の潤いです。
乾性フケ症は洗いすぎなどにより角質細胞が乾燥しすぎた結果です。
頭皮の乾燥を進めないよう注意が必要です。


シャンプーをすると、頭皮の潤いが全て流れ出てしまします。
ただし、毛穴には頭皮を潤わせる常在菌という働き者がいますので正常であれば
- 4時間くらいで頭皮表面が潤いベール(皮表膜といいます)が形成
されますので、一日一回程度のシャンプーであれば問題ありません。
それ以上は控えましょう。
フケは
- 角質層の表面が剥がれ落ちたもの
です。このフケやアカがでる間隔を「ターンオーバー」と言います。
その期間は正常な場合28日くらいと言われています。
頭皮のターンオーバーが乱れることでフケとなって現れます。
正常な時でもフケは出てるのですが目には見えないほど細かいもので気づきません。
フケは頭皮のターンオーバーが乱れたサインなので、刺激が少ないアミノ酸シャンプーの利用が適切です。
選び方
アミノ酸シャンプーを選ぶ際のポイントは
- ココイルグルタミン酸ナトリウム
- ラウロイルグルタミン酸ナトリウム
- ココイルメチルアラニンナトリウム
- ラウロイルメチルアラニンナトリウム
- ココイルサルコシンナトリウム
- ラウロイルサルコシンナトリウム
- ココイルメチルタウリンナトリウム
- ラウロイルメチルタウンリナトリウム
- ココイル加水分解コラーゲンナトリウム
これらが成分表示の最初の方に記載されているもの選びましょう。
また上記に加えてラウラミドプロピルベタインと書いているものもや、ココアンホ酢酸ナトリウムなどが配合されているものも低刺激です。
成分表示の見方
成分表示は配合量が多い順に記載されます。
例えば
- 水・ラウレス硫酸ナトリウム・・・・・・・・・・・(後ろの方に)ココイルメチルアラニンna
という場合は刺激が強い傾向のあるシャンプーと判断できますよ。
ノンシリコンを選ぶべきか?

ノンシリコンが良いという訳ではありません。
シャンプーにシリコンは必要かを考えてみましょう。
シャンプーにシリコンを混ぜる理由
従来のシャンプー剤はシャンプー中に髪の摩擦を軽減するためシリコンを入れていました。
特に、高級アルコール系や石鹸系は、優れた洗浄力のために「髪の毛や頭皮から油分」が失われてしまいます。
その結果
- シャンプー中の手触りが悪くなる=品質が悪いイメージ
- 髪の毛がキシむためシャンプー中やリンス中に摩擦で髪の毛が損傷しやすい
ということが起こりました。
そこでシリコンを入れてシャンプーイング中の毛髪ダメージ軽減、手触り向上のためにシリコンを配合しました。
何故ノンシリコンシャンプーが主流になったの?
時代とともに、シリコンの悪評が立つようになりました。例えば
- シリコンは頭皮につまって害のあるものだ。
- カラーやパーマの妨げになるものだ。
という誤った認識が広まりました。
その結果、ノンシリコンブームになったようです。
しかしシリコンは頭皮につまりません。網目状の構造のため隙間が開いておりそういった心配は無いのです。
シリコンはブラッシングによる髪摩擦を軽減する効果があります。
シリコンなしできしんだ髪の毛を無理やりくしでとかす方がよっぽど悪影響です。
アミノ酸シャンプーは洗浄力がマイルドですので、基本的にシリコンを入れる必要がありません。


実際におすすめできるアミノ酸シャンプーはこちらにまとめてあります。
洗い方
アミノ酸シャンプーの良さを最大限に引き出すためには洗い方も重要になります。
詳細はこちらにまとめてあります。