こんにちは美容師ブロガー阿部です。
段とは?
段を入れるとどうなるの?
段を無くす方法は?
段をつけるとはねるの?
こんな疑問にお答えしていきます。
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【髪の毛の段とは?】美容師が解説します【図解あり】
段が無い髪型
段を理解するのに一番手っ取り早いのは「段が無い髪型」を知ることです。
- 段が無い髪型=ワンレングス
です。
まずはワンレングスから紹介していきましょう。
ワンレングスカット
ワンレングスとは段がない髪型を言います。
オレンジの横線は生え際(髪の毛が生え始める場所)です。
生え際の髪の毛が5cmだとすると、アウトラインは生え際より5cm下になりますよね。
それがアウトラインです。
段が無い状態とは全ての髪の毛が生え際の髪の長さ=アウトライン上に届いている状態を指します。
分かりやすく言うと赤い矢印で示すようにアウトラインまでツムジの髪の毛が届いているかどうかで判断できます。
段を入れるとは?
ワンレングス以外の髪型は全て段がある髪型ということになります。
ツムジの髪の毛がアウトラインより1cmでも短くなったら全て段をつけるカット(段カット)と呼ばれます。
この1cm短くなるか、10cm短くなるか「段」の多少によって髪型のフォルムが作られます。
段があまりつかない状態をグラデーション、段差がたくさんつく状態をレイヤー、その中間をスクウェアとして区別します。
段をなくすとは?
段を無くこと=「ワンレングス」に近づけるということです。
ワンレングスに近づけるにはつむじ方向の髪の毛を出来るだけ切らず、襟足の髪の毛を切ることが必要です。
髪の毛から段をなくすための美容院でのオーダー法や段が無い髪型のメリット&デメリットはこちらの記事にまとめています。
段の入れ方
段の入れ方によって髪型は「ボブ」「スクウェア」「レイヤー」と変化します。
またシルエットもボブからレイヤーに変化するに従い「丸みを帯びたシルエットから平坦なシルエット」へ変化します。
またレイヤーに近づくに従い髪に動きが出やすくなります。
では、それぞれの特徴を見ていきましょう。
ボブとは?
ボブは髪の毛を自然に下ろした時段差が狭い状態を言います。
ボブに使われる段を「グラデーション」と呼びます。
グラーデーションは段差が狭くて密なので「シルエットは丸く質感は重い」のが特徴です。
ワンレングスよりつむじ方向の髪の毛を少し切った状態です。
図のようにワンレングスの状態から生え際より上の髪の毛を少しづつカットしていくと丸みを帯びた段になります。
今の髪型から段を無くして(せばめて)ボブにしたい場合
図から分かるようにボブ(=グラデーションの段をつける)という髪型は襟足の髪の毛に対して、上の髪の毛がそれなりに長くないと出来ない髪型です。
目安としては耳後ろの延長線上の髪の毛(=頭の後頭部出っ張り辺りの髪の毛)が襟足より3cm短い程度なら可能でしょう。
襟足の髪の毛をつめてその部分につなげることでボブのシルエットに近づけることが可能です。
これは美容師に見てもらわないとなかなか判断が厳しいので、相談してみるとよいでしょう。
スクウェアとは?
ボブからさらに段をつけた状態を言います。
- ボブの丸いシルエットよりも軽さを出したい
- 動きを出したい
- ボリュームを出したい
時に多様されます。
後頭部にスクウェアが入った写真です。
ただし、スクウェアは頭の形(骨格)通りのフォルムが現れます。
- 骨格に丸みがあれば髪型にも丸みが
- ゼッペキだと髪型も平らに
なるので骨格を見ながらカットします。
では最後にレイヤーを紹介しましょう。
レイヤーとは?
皆さんご存知の「ウルフカット」もレイヤーカットの一種です。
- シルエットは扁平で動きが出る
- 軽い
のが特徴です。
このように上の髪の毛が短いためこの段カットを施すと、当分ボブにはできません。段をなくすまで時間がかかる髪型です。
この写真は襟足にレイヤーが入っています。
後頭部のボリュームはスクウェアです。
このように髪の毛の段は実は一種類だけではなく複数をミックスしてカットされています。
段を入れた髪型であるレイヤーについてはさらにこちらで詳しく解説しています。
段を入れるとはねるの?
段を入れるとはねると勘違いされる場合が多いのですがそんなことはありません。
例えばはねるくせ毛を段をつけて切り落とすことではねない髪型にすることも可能なんですよ。
私はくせ毛のカットでハネル部分を見ながら段をつけて落ち着かせる場合もあります。
段を入れすぎた状態とは?
髪の毛のまとまりが悪い。段を入れすぎたからではないか?
そんな時はレイヤーの状態である場合が多いです。
先ほど紹介したようにレイヤーとは上の髪の毛が短く下の髪の毛が長い状態を言います。
「軽さが出て動きが出やすい」のが特徴でした。
頭頂部に動きを出したり襟足をタイトに仕上げたい時などに効果的な段です。
ただし上の髪の毛が短いことで髪の毛が動きやすくはねやすくなる場合もあります。
段を入れられすぎた場合
もし美容室で段を入れられすぎた場合は上の髪の毛は極力切らないことが大切です。
例えば3ヶ月程度に1回アウトラインをつめて全体を「スクウェア」に近づけていきましょう。
オーダーの仕方は「できるだけ上の髪の毛は切りたくない・ボブに近づけていきたい」と伝えればいいでしょう。
段の効果
段には「フォルムを作る」「まとまりを良くする」「動きを出しやすくする」など様々な効果があります。
フォルムを作る効果
例えばボブと一口にいっても
丸みが強いボブ
やや丸みのあるボブ
スクウェアに近いボブ
というように段差の密度によってフォルムを変えたりできます。
あなたが美容室でオーダーする際は例えば写真を見て「このくらいの丸みがいいな」など好きなフォルムを決めておくといいですよ。
まとまりを作る&軽さを出す
例えば重いボブの代表例は先ほど紹介したワンレングスです。
一般的にクセがなければまとまりが良い状態です。
ワンレングスは段が無い状態です。
毛先に厚みがでてボリュームの位置も低くなります。
年配の人は、このスタイルにするとふけてみられやすいです。
Aラインスタイルとも言われます。
ここから少しづつ段差をつけていくと丸みのあるボブに近づきワンレングスより軽さが出てきます。
毛先の重みも軽くなりボリュームの位置も上がっていきます。
やがてレイヤーと変わっていき、毛先に軽さが出て動きが出やすくなります。
このように段には「フォルムを作る効果」「まとまりを作る効果」「軽さを出す効果」などがあるんです。
髪の毛を「すく」ことと「段をつける」ことの違い
髪型に軽さを出すには
- 段をつける
- 段をつけずに「すく」
2つの方法があります。
段をつけるとはこれまで解説したように髪の毛の長さを調整することでした。
「すく」とうのは「すきバサミ」と呼ばれるハサミを使って髪の毛を物理的に少なくします。
例えば30%のセニング(すきバサミ)があります。
このハサミで100本の髪の束を着ると「30本」無くなり毛先が70本になります。
これが「すく」ということです。
段差をあまりつけない状態(例えばワンレン)で削ぎを入れることで軽くすることもできますし、段をつけて毛先のニュアンスをやわらかくするという選択もできます。
基本的には
- 今の形はそのままに軽くしたいなら「すく」
- 形を変えてフォルム全体をスッキリさせたいなら希望するシルエットをオーダーする(段をつける)
のが無難です。
もちろんフォルムを変えた後、すくのもOKです。
このように段はあわせ技なんです。
例えば
- ボブで全体をカットした後、頭頂部の表面にのみレイヤーをつけて、軽さをだす
こういう場合もあります。
このように、カットをする時は「グラデーション」「スクウェア」「レイヤー」という段を骨格や髪のクセにあわせて選択、組み合わせて形作っています。
美容師と相談しながら理想的なヘアスタイル作りの参考にして下さいね。